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ニート問題を解決する糸口

現在、ニートの増加が深刻な社会問題としてクロースアップされています。ニートは就学も就労もせず、また職業訓練も受けていない人と定義されています。ニートの五割が医歯薬系のメンタルヘルスに関する外来を受診しているというデータもあります。ニートにはネガティブなイメージが付きまといます。学ぶことなく、働くこともなく社会のお荷物としての存在として受け止められていますが、調査によればニートの八割は勤労意欲を持っているとされています。

もともと彼らの多くは潜在能力が高く、特にITに関するスキルなどがかなり専門的なレベルにまで達している人も少なくありません。そうした貴重な人材たちを社会に復帰させるために、医歯薬系のメンタルヘルスの専門家、すなわち精神科やカウンセラーなどが、彼らを何とか就学、就労に導こうとさまざまな試みが行なわれています。

ニートとフリーターの相違点はフリーターは何らかの形で働いているということです。むしろニートは引きこもりと同列として取り扱われることが多いようです。生活的には恵まれている人の割合が多く、こうした環境が社会参加の意欲に影響を与えている点は否めません。こうしたニートは先進国に多く、発展途上国では貧困や食糧問題もあり、また徴兵制度があることから、必然的に引きこもることは難しく、ニートの数も少ないようです。

国会議員のなかには自衛隊での訓連参加や農業への従事を提言する人もいます。しかし、個人的にこうした無理やりなやり方は逆効果を生むように感じます。むしろ勤労意欲があるのにも関わらず、外に出られないのは社会、企業側にも問題があるのではないでしょうか。世の中には、激務を強いられるブラック企業がたくさん溢れています。就職氷河期の影響で、余計にこうしたブラック企業に引っかかってしまう人が増加しています。労働環境の規制をしっかり厳しくして、快適で働きやすい職場ばかりになれば、ニートの人たちも自然と外に出たくなることでしょう。大切なのは、みんなが自発的に働きに出たくなる環境をつくることです。